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歯周病(歯槽膿漏)治療の痛み

歯周病(歯槽膿漏)治療の痛み

 歯周病治療に対する痛みへの不安は、多くの患者さまが抱いてらっしゃいます。しかし、現代の歯周病治療は技術の進歩により、痛みを最小限に抑えることが可能になっています。痛みの有無や強さは、選択される治療の種類や患者さまの口腔の状態によって異なりますが、適切な治療法とケアによって痛みの軽減が図れます。

歯石除去による痛みの可能性

 スケーリングは、歯の表面に付着した歯石やプラークを取り除くための基本的な歯周病治療であり、歯周病予防の重要なステップです。一般的に、スケーリング自体はそれほど痛みを伴う治療ではありませんが、次のような状況では痛みを感じることがあります。

歯石が長期間付着している場合:長期間にわたり歯に付着した歯石は、歯茎に炎症を引き起こすことが多く、この炎症のために歯茎が敏感になり、スケーリングの際に痛みや出血を感じやすくなります。

歯茎が痩せている場合: 加齢や歯周病の進行によって歯茎が痩せて退縮している場合、歯の根っこの一部が露出し、器具が触れたり、冷たい水やエアーに触れたりすると痛みを感じることがあります。

歯の表面に傷や亀裂がある場合:歯の表面に細かい傷や亀裂があると、スケーリング中に器具がそれらの傷や亀裂に触れることで、しみるような痛みを感じることがあります。

歯石除去中の痛みの軽減方法

 スケーリング中の痛みを最小限に抑えるために、歯科医師はさまざまな方法を駆使します。患者さまの口腔内の状態に応じて適切な対策を講じることで、痛みや不快感を和らげることが可能です。

麻酔の使用:スケーリング中に痛みを感じる場合、歯科医師は局所麻酔を使用することで痛みを和らげます。特に、深い歯周ポケットがある場合や、歯茎に強い炎症が見られる場合には、麻酔の使用が効果的です。

手用スケーラーの使用:電動スケーラーと異なり、手用スケーラーは歯と歯茎に対する刺激をよりコントロールしやすいため、慎重に歯石を除去する際に使用されます。手用スケーラーを用いることで、痛みを抑えつつ必要な処置を行うことが可能です。

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知覚過敏とスケーリング

 スケーリングは歯周病予防に最適な治療法ですが、処置後に一時的な知覚過敏を引き起こすことがあります。歯石の除去により歯の表面が露出するため、冷たい飲み物や食べ物に反応しやすくなることがあります。しかし、この知覚過敏は通常一時的なもので、数日から数週間で症状が軽減します。必要に応じて、知覚過敏用の歯磨き粉やフッ素塗布、デンタルシーラントなどの対策が講じられ、症状を和らげることができます。

SRP(ルートプレーニング)の痛み

 SRP(ルートプレーニング)は、歯周ポケットの奥深くに潜む歯石や細菌を除去し、歯根の表面を滑らかにする処置です。この治療法は、歯周病の進行を食い止めるために不可欠であり、通常はスケーリングよりも深い部分に処置を行うため、痛みや不快感が生じることがあります。

SRPによる痛みの原因

深い歯周ポケット:歯周病が進行している場合、歯周ポケットが深くなり、その奥にまで細菌が入り込んでいます。SRPではその深いポケット内を処置するため、歯茎の敏感な部分に触れることが多く、痛みを感じやすくなります。

歯根の露出:歯周病の進行により歯茎が退縮し、歯根が露出している場合、SRPで歯根の表面に処置を行う際に、痛みを感じることがあります。

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SRP中の痛みの軽減

 SRPは、局所麻酔を用いることで痛みを最小限に抑えることが可能です。麻酔が十分に効いている状態であれば、SRP中の痛みはほとんど感じられません。また、治療後の痛みや不快感に対しては、抗炎症剤や鎮痛剤が処方されることもあります。

歯周外科手術とその痛み

 歯周病の進行が深刻な場合には、歯周外科手術が必要になることがあります。歯周外科手術にはいくつかの種類があり、それぞれ痛みの程度や治癒期間が異なります。

1.フラップ手術(歯肉剥離掻爬術)

 フラップ手術は、歯茎を切開して歯周ポケット内の感染組織や歯石を直接除去する方法です。歯茎を剥離するため、術後の痛みや腫れが生じることがあります。しかし、局所麻酔を用いるため、手術中の痛みはほとんど感じません。

術後の痛み:術後の痛みは個人差がありますが、一般的には軽度から中程度です。数日間の痛みや腫れを和らげるために、鎮痛剤の処方が行われます。

治癒期間:術後の回復には数週間を要することがあり、その間は歯科医師の指示に従った口腔ケアが必要です。

2.骨移植術

 歯周病によって歯を支える骨が失われた場合、骨移植術が行われることがあります。この手術では、自家骨や人工骨を用いて骨を再生させ、歯の支持力を回復します。

術中・術後の痛み:骨移植術は外科的処置であるため、術後に痛みや腫れが生じることが一般的です。しかし、局所麻酔に加えて鎮痛剤の処方が行われるため、術中の痛みはありません。

治癒期間:骨の再生には数ヶ月を要し、その間の口腔ケアが重要です。

3.歯周組織再生療法

 歯周組織再生療法は、失われた歯周組織を再生させるための手術です。エムドゲインやメンブレンなどの特殊な材料を使用し、歯周組織の再生を促進します。

術後の痛み:この手術も外科的処置であるため、術後の痛みが生じることがあります。ただし、痛みは数日から1週間程度で軽減します。

治癒期間:組織の再生には数ヶ月かかるため、長期的な経過観察が必要です。

4.歯肉切除術

 歯肉切除術は、過剰な歯肉組織を除去し、歯周ポケットを浅くするための手術です。麻酔を用いて行われるため、手術中の痛みはありませんが、術後に一時的な痛みや不快感が生じることがあります。

術後の痛み:術後の痛みは軽度であり、通常は鎮痛剤でコントロール可能です。

最新の歯周病治療と痛みの軽減

 スケーリングやSRPに加えて、最新の歯周病治療法としてFMD(フルマウスディスインフェクション)、ブルーラジカル、レーザー治療などがあります。これらの治療法は、痛みを最小限に抑えつつ、歯周病の進行を効果的に抑制・治療することを可能にします。

FMD(フルマウスディスインフェクション):FMDは、全ての歯周病原菌を一度に除去する治療法で、従来の治療に比べて短期間で完了します。静脈内鎮静法を併用することで、治療中の痛みや不快感を抑えます。

ブルーラジカル:光と酸素を利用し、歯周病菌を効果的に除去します。治療中の痛みが少なく、治癒を促進し、治療後の組織の回復を早める効果があります。

レーザー治療:歯周ポケット内の細菌をレーザーで除去することで、痛みを最小限に抑えつつ効果的に治療します。レーザー光は健康な組織を傷つけることなく炎症を抑え、出血を抑えながら治療を進めることができます。

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まとめ

 歯周病治療には痛みを伴う場合もありますが、現代の歯科医療では痛みを最小限に抑えるための方法が数多くあります。スケーリングやSRP、歯周外科手術など、それぞれの治療法に応じた適切な麻酔やケアにより、患者さまがリラックスして治療を受けられる環境が整えられています。最新の治療法も含めて、歯周病治療はますます痛みを軽減する方向に進化しています。

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